アニメにもなった冲方丁さんの著書「マルドゥック・スクランブル」について出させてもらいます。
この「マルドゥック・スクランブル」は昔に小説で読んでいて、最近U-NEXTに入ったところ配信されていたので見ていて気になるセリフとして「運命の輪は左回りに悲しみを、右回りに喜びを運ぶ」「右回りにする努力を怠ってはいけない」とあったのでそこについて出していこうと思います。
概要
まず「マルドゥック・スクランブル」の中身についてですが主人公「ルーン・バロット」が殺されかけたところをねずみの「ウフコック」、のちに主治医になる「イースター博士」によって助けられて、殺された理由を調べて、殺人未遂の裁判に勝つという話です。
この作品では多くの犯罪が起きていて、その犯罪をなかったことにするために有用性を証明するということが多く行われています。
例えばイースター博士は人体実験を行っていました。
しかし、この犯罪を人のため、社会のために活用するのなら有用性があるから犯罪ではなかったということにするというものです。
ちなみにその成果で主人公は生きています。
他にもねずみのウフコックは様々な物に変化(ターン)できます。
これは科学者が技術の粋を集めて作り上げたねずみです。
でも、様々なものに変わることができるので銃やロケット等に変化して人を殺す手助けをしています。
しかし、その変化の力で護身ができますし、捜査などでも活躍することで有用性を証明しています。
そしてこの有用性というのが証明できなくなった時、イースター博士なら犯罪者として、ウフコックなら廃棄されるという形で処理されます。
この作品の登場人物はほとんどが人生で何か酷い過去を持っています。
殺人、人体実験、性的虐待等がたくさんいます。
主人公は過去に性的虐待を受けていて、一家離散、その後売春婦として生活していました。
その主人公を自分の潔白のために殺して、その記憶を消して新たな自分になって都市の頂点に立とうとする裁判の相手「シェル」
そしてそのシェルの担当をする元ウフコックの相棒で殺人によってすべて成し遂げようとする「ボイルド」
その事件の裁判のためにカジノに材料を取りに行きます。
運命の輪は左へ悲しみを、右に喜びを運ぶ
これは主人公がシェルの閉じ込めた記憶を回収するためにルーレットをしている時に出てくる話です。
人生の回し方として出された話ですが、なんとも気になるセリフなので私なりに考えてみました。
この話はそのままのようですが、自分の人生はずっと左周りでいいことが全くなくて、悲しみに満ちた人生だという話をルーレットのディーラーがします。
これに対して主人公が右に回してと言ってルーレットの落ちる場所を当てるということをします。
そして「右回りにする努力を怠ってはいけない」、「右回りにするのは簡単で、いるべき場所、いるべき時にいるべき服装で居ること」と言って去っていきます。
右回りである意味と回し方
「なぜ右周りに喜びなのか?」「一体いるべき場所にいるべき時、いるべき服装で居るだけで喜びがはこばれるのか?」といったことを気になっていました。
そこの私個人の考えとして出していきます。
まず「右に喜びを運ぶ」ということについてです。
運命の輪というのはタロットカードで出される10番のカードです。
そしてそのタロットカードは左側が過去、右側が未来を占うようになってます。
そこからすると「右に喜びを運ぶ」というのは未来は明るい希望に満ちているというように考えられます。
逆に左は過去を見ていて、悲しみは過去からくると言っているようにも取れます。
「後悔先に立たず」という言い方があるので過去を見ていてもいいことがないから未来の希望の方を見つめれば喜びが来るということであると思います。
さらにその回し方として「いるべき場所にいるべき時、いるべき服装で居る」というのについて考えてみます。
特にこれについては最初は何も出てこなかったのですが、逆にいるべき場所ではないところにいる場合を考えてみたらしっくりきました。
いるべきではない場所というのが「自分にはふさわしくない」といった場所であればそこで喜びは運ばれてくるのか?というとそんなことはないはずです。
「自分はもっとふさわしい場所がある」という人であれば喜びよりも悲しみがはこばれてくるはずです。
ただし、これは自分にとって「いるべき場所」です。
他人にとってではないので、他人から見ての「いるべき場所」は関係ないです。
自分にとってこれは「いるべき場所」そう考えられれば喜びが運ばれてくるのも納得です。
自分の納得することで自分のやりたいようにできるよう努力を怠らずにやりなさいということなのかなと思います。
人生の回し方
この作品では多くの人が人生の回し方を失敗しています。
それでもポジティブにいるためには明るい未来のことを考えていけば喜びが来るということなのかなと思います。
過去のことを見ていても悲しみしか来ないし、今まで右に回っていた金持ちでも少しでも過去のことに縛られれば左に回り始める。
右に回っていたのは今までの野望で未来のことを見続けていただけなのだと。
今まで左回りだと思っていた人でも右に回れるように努力をすれば右に回ることができる。
そんなことを全体で出しているように思えます。
このセリフの部分はディーラーの女の人がかっこいいのもあって印象に残る人は多いと思います。
それでもそこまできちんと考えなくてもきちんとポジティブに考えなさいよな感じにしか作品の中では出されません。
そこが悲しいところですが、このディーラーの人が人生とは何なのかということについて語っていると思いました。
また、このマルドゥック・スクランブルを読みたいという人のために本を、アニメで見たいという人のためにU-NEXTを張っておきます。
このSFでシリアスな感じはたまりません。
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