才能をひらくためのアプローチ その1 安藤昭子さんの著書「編集工学」

では、今回は前回出した才能をひらかせるためのアプローチの部分です。

才能がどのようなものか分かった。では次はどのように才能をひらくのかです。

分ければ分かる、分かると変わる

例えば部屋が汚くなっている時、多くの物が散乱していてごみを捨てる、本を戻す、道具をしまう等々多くのことをしないといけない時があります。

余りにも多くの工程をドバっと出されるとどこから手を付けたらよいのかというのが分からなくなり、部屋をきれいにすることができなくなります。

片付けようとするのなら見通しを立てて、どこからするのか等を決めてやっと動き出します。どこからするのかというのを決めないと始められません。

何かをするときに「手がつかない」というのはあります。この時は「編集」がうまくできず、情報を整理できてません。そのためにまず、情報の整理をするためにやることを分けます。

そのうえで何をやるのかが見えてきます。片付ける区画はどこか、どのようにするか、そのためにはどんなことをしないといけないのか…等々できるだけ具体的に手を動かすレベルまで分けていきます。

そうしてしまえばあとは簡単に動き出せます。順番なんかも整理できるでしょう。

分けてしまえば分かります、分かってしまえば変われます

組み合わせが価値を生む

情報を分けていくと勝手に新しい関係性が出てきたりします。片付けをしていると「使う」「使わない」を分けていくと「保存用」等新しいタグがつけたくなります」

物事の関係から組み合わせて、新しいものを生み出していく。これを意図的に起こしていくのが「編集」で、それを行う力が「編集力」です。

つまるところ編集力というのは関係性を見つけ出す力です。

世の中でイノベーションと呼ばれるものは5つの種類しかありません。

①新しい生産物の創出

②新しい生産方法の導入

③新しい市場の開拓

④新しい資源の獲得

⑤新しい組織の実現

どれも新しい組み合わせによって発展がもたらされています。

関係発見の秘訣新たな関係を見つけるためには物事を多面的に見ないといけません。

例えばスーパーのレジ袋、これはごみ袋にもなります。自転車のサドルカバーや洗濯物入れなど色々な使い方があります。ポイ捨てすれば環境を汚す原因にもなります。

自分の周りの世界は多面的です。同じ一つの物ごとでもとらえ方、状況などで変わってきます。

その別の側面などから関係性や類似性を見つけて編集が行えます。

乗り換え、持ち替え、着替え

まず、情報というのは様々なものに包まれています。テレビやインターネット、人との雑談等の方法に乗っています。

更にはラベルや分類、組み合わせ等もあります。そのうえでカジュアルやよそ行き等といった服も着ています。

新しい価値を出そうとする場合はこの乗り物、ラベルや分類、服を着替えることで出来上がります。

例えば、TVでやっていた番組をスマホ等インターネットで視聴できるようにするといった乗り換え、政治等の難しい話を絵として簡単に分かるように変えてしまったりといったことができます。

そしてその乗り換えのためには多面的な見方が必要になります。その多面的な見方をするのに「フレーム」と「スキーマ」というものが必要になってきます。

フレームとスキーマ

乗り換えたり等をするときに必要なものとして「フレーム」と「スキーマ」というのがあります。

まず、「スキーマ」は情報の容器のようなものだと思ってください。「スキーマ」というのは「フレーム」よりも具体的な内容を指しています。

そして「フレーム」というのは「スキーマ」の集まりでさらに部屋等のように容器を複数入れたものです。

「スキーマ」が情報や乗り物等で「フレーム」は大枠の分類等になります。

例えば「フレーム」がニュースとすれば「スキーマ」はご近所さんとの雑談や事件事故の話、芸能人のスキャンダル、迷子のお知らせ等のようなイメージです。

この考えが乗り換えたり等に使い勝手が良くて、「スキーマ」を別の「フレーム」に移すという作業になります。

頭が柔らかいといわれる人は必要に応じてこの「スキーマ」と「フレーム」の新しい組み合わせを思いつく人とも言えます。この部分が「発想力」につながります

発想力が発揮されるには

発想力が発揮されるにはまず、既存の考えから新しい考えが必要になります。

そのためには組み合わせるというのが必要になりますが、そのためには分ける必要があります。その分けたものを別のフレームに入れ込んで新しい考えが出てきます。分けてないと組み合わせるのが大きすぎてうまく組み合いません。

組み合わせることで新しい価値を生み、才能がひらけます。

自分の思考の枠組みに自覚して、意図的に取り出したり飛び越えたり、組み合わせることで引き出していきます。

どのように関連しているのかというのを次回に出していきます。

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